その広げられた地図を覗き込んでみると、そこには赤い丸が点々と記されていた
「いい? この赤丸はね、犯行があった場所を示しているの。そして、ここを中心にしてグルーっと……そうすると、今度の犯行はここで行われるはずなのよ」
と、地図上の公園の位置を指差した
……公園か
この女の推理どうり、たしかに犯人はそこに出現する可能性は高いな
意外とこういう犯行は、規則性があったりするものだ
「ふぅもふぅも」
分かった、とばかりに縦に首を二回振っておいた
「そう。それでね、あなたにやってほしいことは、その公園で犯人をおびき寄せるため、オトリとしてうろついてほしいのよ。罠を張るのよ」
俺も考えていたことなので、それにも賛同した
「じゃ、さっそくこの公園に移動するわよ」
「ふもっふ!」
俺は気合を入れて、オトリ役をかって出た
その公園は、人気がなく、樹が生い茂ってるだけのスポットだった
すると、陽子が小型の機械を渡してくる
「これは無線機よ。わたしはこれから離れたところで指示するから」
「ふもっふ」
俺はそれを受け取り、こっそり頭の中に入れて、装着する
「ふもっふ」
「……よし、感度良好ね」
受信機を耳に当てて確認してから、陽子は近くの茂みにがさがさと身を潜めた
『じゃ、今から公園の真ん中で、適当に歩いてて。わたしはここから見張ってるわ』
「ふもっ(了解)」