その河原には、いろんな種類の花が咲き乱れていた
「ふむ。どれにするかな……」
その中から宗介は、彼岸花と弟切草をむしり取った
「なんの花なのかよくは分からんが、これでいいだろう」
彼岸花のほうは、見かけが綺麗だと思うし、弟切草はたしか、万病にもよく効くはずだ
花言葉の方はよく知らないが
そうして宗介はその花をひと束ほどかき集めると、この問題は終わった
ちなみに、弟切草の花言葉は『復讐』なのだが、宗介はそれを知らなかった。ついでに言えば、彼岸花も『死者』に関する不吉な花である
さて、本の続きを読むか
またも本を開き、続きを読んでみる
そこにはこう書かれていた
「ふむ。『できるならプレゼントも用意しましょう。金をかけるのが理想的ですが、心を込めたプレゼントも有効です。なるべく彼女のためになる物にしましょう』か、なるほど」
この花と相乗効果を狙うわけだな
彼女のためのプレゼントか……
このポケットに入っている宝石とはまた別のものを用意したほうがよさそうだな
だが、どんなものかはすでに決まっている
彼女は狙われている
ならば、女性用の手軽に扱える『ワイサー』という小型銃でいいだろう
これで千鳥は「ありがと、これで安心だわ」といってくれるにちがいない
さて、プレゼントも解決だ
またも、本の続きを読んだ
「……『次は、あなたの身なりです。決して目立ってはいけません。あなたは控えめな服装にして、彼女を引き立たせましょう』なるほど」
俺は目立たない服装にすればいいのだな
さらに、続きを読む
「『彼女に会ったとき、まずこう言いましょう。「君に、会いたかった」これで彼女の気持ちは完全に揺さぶられます』か。よし、完璧だ」
本を閉じると、俺はふっと鼻を鳴らした
これで、完璧だ
すぐ準備を済ませ、学校に戻ろう