学校に戻ると、千鳥は屋上にいるという情報が早くも手に入った
俺はさっそく屋上に駆け上がり、扉を開けた
いた……千鳥は屋上の柵に手をあてて、憂鬱な表情で景色を眺めている
よし、言うぞ
「千鳥。会いたかった」
すると、かなめがこっちを振り向き、俺の姿を見ると、ぎょっと驚いた
……なぜ驚く?
俺は目立たないように、長い草を体中にはりめぐらして、顔にも緑色のペイントを塗って草と同等してるはずだ
そして手元には、千鳥にプレゼントするための小型の銃と、彼岸花と弟切草の花束
完璧なはずだ
かなめは身の危険を感じていた
宗介が……あんな禍々しい戦場にでもいるような格好をして、銃を手にして近づいてくる
しかも、手に抱えた花……たしか、花言葉は『復讐』だ
まさか……さっきの喧嘩の報復に……? うそ……
すると、宗介はもう一度繰り返した
「君に、会いたかった」
ああ、やっぱり。そうなんだ。あたしを……あたしを……
かなめは青くなった。相手は本物の兵士だったのだ
怒らせてはいけなかった。このままでは、あたしの身は……
戦うしかないっ!!
かなめはきっと腹を据えて、宗介に突進した
「……千鳥?」
言うより早く、かなめの握りこぶしが見事に、俺の顔面をとらえた
がすっ!!
END16 誤解END
俺はなにを間違えたのだろう……なにが悪かったというのだろう
いきなり殴られて、宗介はわけもわからないまま意識を失っていった
当然、この日はこれで終わってしまった