教室の端で、なにやらプラモをがちゃがちゃといじっている風間に聞いてみることにした
俺は近づいて、声を掛ける
「風間。少し聞きたいことがある」
「あっ、相良くん。ちょうどよかった、ね、これ見てよ!」
こっちの声を遮って、手元のプラモを見せてきた
「む……?」
それは最近発売されたばかりのASプラモ、『ガーンズバック』だった
「ほう……」
「ね? 見てよ、チェーンガンまでついてるんだ。AM11タイプだけど、他のメーカーとは大違いでさ。ここの安全装置の部分が……」
よほど嬉しいのか、このプラモの詳細について目を輝かせ、説明してくる
「うむ。そうだな。……それで、聞きたいことが……」
すると、近くの扉ががらりと開き、生徒会に所属している佐々木が入ってきた
「……佐々木? なぜここに?」
「あ、僕が呼んだんだ。ね、相良君も一緒にこのプラモで語り合おうよ」
風間がそう言い、またも自分の世界に入る
「いや、聞きたいことが……」
「あっ、これですか? 風間先輩。うわあ、すごいなあ、ここなんか特に……」
佐々木も加わって、二人は完全にその世界に行ってしまった
「…………」
なにも情報は得られなかったな
しかたない