まったく分からないので、いったん外へ出てみることにした
そして校舎の裏側へ行ってみると、めずらしい人が不良どもに囲まれていた
あれは……たしか、阿久津 万里とかいったな
不良グループを束ねる女ボスだ
一応、聞いてみるか
「阿久津とやら……お前に聞きたいことがある」
「ああん?」
ガンを飛ばしてこっちを振り向く
すると、俺だとわかったとたん、気迫が抜けたようだ
「……なんだ、アンタか。こっちには用はないんだよ、失せな」
「お前になくとも、こっちにはある」
すると、まわりの不良どもが、わいわいと騒ぎ出す
「るっせんだよ、コラ」
「てめー、誰にクチきいてんだ? ああ?」
ドンッ ドンッ
俺が、騒ぎ出す不良どもの足元に数発撃ってやると、すぐに静まった
「貴様らには聞いていない」
それを見て、阿久津はポリポリと頭をかいた
「あー、もう。そんな頼み方しかできないのかね、あんたは。分かったよ、聞いてやるからさっさと話しな」
俺は銃をしまい直し、例のことを聞いた
「千鳥の居場所を知らないか?」
「知らないね」
即答だった
「……本当か?」
「くどいね。知らないっての。分かったらさっさと向こう行きなよ」
「……そうか」
そして、引き上げようとしたが……改めて、万里の姿を観察した
「……あんだよ?」
見られてることに気づき、万里が眉を寄せる
「いや……」
またも、めずらしい陣代高校の制服姿だった
これで見るのは二度目になるのだが、なんというか、やはり……
「その制服姿、意外と悪くないぞ」
「なっ」
万里はカッと顔を真っ赤にすると、スクーターをいきなり投げつけてきた
さすがにこんな大きいものは、すぐにはよけれなかった
気がつくと、どこかのさびれた倉庫だった
「……ここは?」
「あたしらの縄張りだよ」
万里が腕を組んだままそう答えた
自分をよく見ると、両手が縄で縛られている
「なんのつもりだ」
「う、うるせー。あんたは言っちゃいけないことを口にしたんだ。だからだよ」
「制服姿が悪くないと言ったことか?」
「あっ、てめー。また言いやがったな。悪いけど、その記憶を無くすくらいに痛めつけさせてもらうよ。やっちまいなっ」
「へいっ」
と、くすぶってた不良たちが、バットやらなにやら持って、俺を取り囲んだ
甘い……
こんな縄の縛り方なぞ、俺にとって、解くのは造作もないことだ
すぐに後ろ手を縛っている縄をほどき、自由になった
「こ、こいつ。縄ほどきやがったぜ」
「投降しろ。そうすれば、痛い目には合わさないと約束しよう」
「うるせええぇぇっ!!」
なりふりかまわず、不良どもが襲い掛かってきた
やれやれ……
そこで俺は、