「今日は、弁当なのか?」
その質問に、かなめはぶっきらぼうに答えた
「そうよ。それになんか文句でもあるの?」
「いや。文句というわけではない。ただ……」
「ただ?」
「今日は屋上で一緒に昼飯をごちそうしないかと思ってな」
「え?」
するとかなめは驚いたような目でこっちをじっと見る
「……なんだ?」
「え、あ、いや。あんたから誘ってくるなんて珍しいなと思ってさ……」
「俺だって、たまには千鳥と二人で食べたい時もあるぞ」
「ちょ、こんなところでそんなこと言わないでよっ」
真っ赤になって慌てるかなめ。だが俺は良く聞こえるように、もう一度言った
「俺だって、たまには千鳥と二人で食べたい時も……」
「だーっ! わ……分かった。分かったから。い、行こう」
恥ずかしいのか、弁当包みを取り出すと、逃げるように俺の腕を引っ張って教室を出た