あとがきフルメタ事件簿、これで完結!! いやあ、実に長かったですね。第一話を出したのが2004年の5月5日。最終話が2008年の9月6日。 4年と4ヶ月ですよ。ヒー。 一話目を出した時点では、まさかこんなにかかるとは思いませんでした。読者はそれ以上ですよね。 最初は十話くらいで終わるかなと思ってたんですが、倍の二十ですよ。 初めて挑んだ長編の連載形式小説が、とんでもないことに。あほかと。 なんでこういうお話になったのかというと、なにか長編に挑む際に、大抵主人公ってすごい暗い過去を持ってるよな。とびっきりにキツイ過去ってなんだろ。大事な人を自分で殺すってのがキツそうでいいね。そんでもって、某番組を見て『催眠術って悪事に使われるとこれ以上ないくらい怖えな』って思ったのを組み合わせてできたのがフルメタ事件簿です。(酷 でも楽しかったです。 最終話でのレナードの決着は意外にあっさりついたものですが、まあ現実はそんなものです。 ちなみに宗介が、胸の内の黒いもやが膨らんで、ぶち切れて催眠突破、レナードを殴り倒す。って展開は「おいおい、ご都合主義だな」と感じたかもしれませんね。でも第一話目から、ちゃんと黒いもやの描写は出しているのですよ、フッフ。(一話目のラストのあたりに) 宗介って、特に突出した戦闘能力とかはないですけど、執念だけは負けないってね。怖いですよー、執念深いオトコってのは(ぉ 話は変わりますが、最初から最終話まで大まかに頭の中で出来上がってたので、ネタに行き詰まりはしませんでしたね。でも執筆って意外に時間かかるものだなあと実感。 最初から話ができてると、伏線と回収が楽しいですね。
さて、ここで唐突ですが。 気づきにくい伏線の解説ー。 いや、普通は伏線ってのは読者が勝手に探して気づくものですが、あまりにさりげなさすぎて気づかれないのも寂しいので、二点だけ。 第二話『かりそめの罠』で、千鳥が怪盗レイスの資料を取りにいくときに、刑事課の刑事から『宗介は人殺しだ』と千鳥に忠告します。この刑事は、第九話『闇に葬られた過去』で、子供宗介が親を刺し殺した後、刑事が指紋などから『子供が殺したのでは』という推理を聞いた、封鎖地帯の見張りに当たっていた警察官が、『あのガキが殺したのか』みたいなことを漏らしています。その警察官の一人が昇進し、刑事になったのです。なのでそれを覚えていた刑事は『事件は闇の中だが、宗介は人殺しだ』という思いがあったわけです。 第三話『崩れゆく理想郷』の遊園地で、お化け屋敷に入るのをいやがった宗介が『死後の世界が怖い』と漏らしましたが、その理由が最終話で語られた『死は夢を見続けること』でした。 まあ、まだまだ伏線は散りばめてますが、このへんで。
事件簿は完結しましたが、ひとつだけ心残りが。 千鳥が宗介への呼称を『先輩』から『ソースケ』に変えたことです。 自分としましては、『先輩』の響きが好きで、できればこのままで通したかったのですが、刺し殺した母親の最後の言葉『やめて。ソウスケ』と重ねたかったので、仕方無しに『ソースケ』と呼ばせるようにしましたが。 うーん。仕方ない、ここは脳内変換でソースケを先輩に置き換えて満足しておくか。(独り言)
ともあれ、ちゃんと完結できてよかったです。本当に待たせてしまいましたが、少しでもこのお話が貴方の心に残りますように。
フルメタ事件簿アンケートを置いておきました。 できればお答えいただければ嬉しいです。どもー。
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