「いや、いい」

そう断って、その場を離れ、生徒会室へと急いだ



生徒会室に入ると、そこには生徒会長・林水閣下がいた

「おや、相良くん」

「会長閣下。千鳥はここに来ていませんか?」

「千鳥くんかね? いや、来ていないが」

「……そうですか」

ここではなかったか……

すると林水会長は、メガネを掛け直し、

「ちょうどいいところにきてくれたよ」

と、呼び止めてきた

「……なにか?」

「うむ。これを見てくれたまえ」

と、一つの紙を机の上に置いてきた

俺はその紙を手に取り、読んでみる

そこには新聞から切り抜いたような文字がひとつひとつ並べられていた

『この学校に爆弾を仕掛けた。昼休みが終わると同時に、この爆弾は作動する』

「……これは……脅迫文ですか」

「うむ。これが今朝届けられてね。変わった脅迫だよ。動機も要求にも一切触れていない。君はどう見るかね?」

「混乱を狙う愉快犯か……もしくは、この学校に恨みを持つものか……爆弾は見つかったのですか?」

「いや、捜索はしているのだが、見つからないのだ。巧妙に隠してるのか、それとももとよりただの悪戯なのか。そこがはっきりしない限り、生徒たちに避難勧告を出すのは混乱を招くだけかと思ってね。君の意見が聞きたかったところなのだよ」

「…………」

今はまだはっきり断言できない。

だが、本当にあるとすれば、大変なことだ

時間も迫っているではないか

「準備はしておいてください。その爆弾捜索には、この問題担当の相良宗介が当たります」

「うむ、よろしく頼む。こっちも裏づけが取れたら、すぐに放送で避難を勧告しておく」

「分かりました」

厄介な問題が起きたな

千鳥は後回しだ。時間も無い。はやく爆弾を探しに行こう



>急いで爆弾を探す