宗介は、一緒になって走っている椿の足を引っ掛けた

「うおっとと……て、てめえっ」

よろけた一成が手を地面について、怒り気味に叫ぶ

「どこまで卑怯な……う、うあああぁぁっ」

置き去りにした一成が、後方で悲鳴をあげた

おそらく大貫善治に捕まったのだろう

(戦場とは……非情なものなのだ)

宗介は振り返らずに、一直線に校舎へと逃げ込んだ



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