かなめはプロレスの構えをとって、こっちにじりじりとにじり寄ってきた
(なにか、非常にマズイような気がする)
脂汗を流し、すぐに玄関から逃げようと走り出した
「甘いっ」
逃げるより先にかなめにバックを取られ、両手で俺の腰にしがみついた
次の瞬間、俺の体が宙に浮いた
どごむっ
そのままバックドロップという技で、俺の体が地面に叩きつけられる
ごきゅ
極まるのと同時に、なにか鈍い音がした
END01 入院END
いきなり目の前が真っ暗になり、意識も同時にどこかへ飛んでしまったようだ
「ソースケ? ちょっと、どうしたのっ、ソースケっ!」
慌てたかなめと恭子が、携帯で救急車を呼んでくれたらしい
到着した救急隊員は、俺が玄関の床にめりこむ姿を見てちょっと引いたようだが、ちゃんと仕事はこなしてくれた
かくして、俺は今病院に入院している
包帯だらけになった俺は、今でも病室から外を眺める程度にしか動けない
医者いわく、打ちどころが悪かったようだ
かなめは罪悪感を感じているのか、毎日お見舞いに来てくれる
気にしなくていいと言っているのだが、それでも彼女は毎日お見舞いに来てくれていた
彼女の切ってくれるリンゴは実に美味い
だが、医者は時々俺を見て、不思議そうにつぶやくのだ
「……しかし分からん。なぜ、君はそういう怪我の状況になったんじゃろうか……」